「校舎」・星粒


真昼の校舎は
箱みたいに
静かに大地に置いてある

白い箱からチャイムが鳴ると
ときおり
おもちゃの音がする

木琴の歌が
なつかしく
夢のあぶくを浮かせてる

大きな貝殻に
耳あてたように

グランドに響く
おもちゃの潮騒


こどもがいるよ

こどもがいっぱい

あふれてよせて

よせてはあふれ

・・・・・・

まどろむ木々の
葉の囁きが
しずかに
るるるる
流れてくる

忘れ去られた
サッカーボールが
ころがる先に
百葉箱が

白く
のんびり影を
落とす


おおい

もういちど
膝小僧擦りむいて
薬指に
つばをつけて
走ってみないか


帽子なんか
空にはねとばして

靴なんか
脱ぎ捨てて


・・・・・・・・・・・

ランチの音色に
大きな箱は
ふたたび
食器の音がする


牛乳瓶の擦れ合う
音は

流れ星が
落ちる音かもしれない

シチューの香りが
ふんわりしている

我も家路を

しずかに辿る




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