「こんにゃく」・星粒

ぺらぺらと
まないたのうえでこんにゃく
ねじれてはじけて
いきものにかわりそうで
かわれなくて

わたしはこんにゃく
ぺらぺらのこんにゃく
ちきゅうぎのうえで
ささいなかぜに
ぺらぺらとおちそうで
しがみついている

こんにゃくのきもちは
こんにゃくしかわからない
こんにゃくになりたくて
こんにゃくになったのではない


みをくねらせながら
まないたとながしのあいだを
おっこちたり
すべったりああいそがしい
こんにゃくはなべの
ゆのなかでみもだえる
のたうちまわり
だいじなものをみんな
ゆでられて
ゆでこぼされて

こんにゃくは
うそのようにおちつきはらって
さらのうえでつるりんと
さいごのだんすをひろうする
こんにゃくのゆうしゅうの
びなんかどこにも
ないけれども

こんにゃくはたべられる
それだけでしあわせ

くるくると
こんにゃくはねじれて
したのうえでがりがりと
はねてまるまって
おちてゆくよ

のどのどうくつ
まっくらなどうくつ

こんにゃくは
ねころがったひとの
ねじれたままの

のなかで
またもやじぶんも
ねじれて
もういちど

どうくつから
はいだそうとおもったけれど
もう
おそかった



●作者へのご感想はこちらへ●


詩の投稿作品


目次へ戻る