「川」・なっつ


川は、見上げていた

いつの日かかえれると信じていた
あの遥かな水色を

川は、これまでに
何人の小さな人間を
その深き底に沈めたろう

川は

もう
川でいたく
なかった

できることなら

自由の
象徴として

いつも世界を

見下ろしてあげられる

そんな
おおきなキャンバスになりたい

それが
叶わないと知り

川は溢れる

すると、
忽ち

なみだが濁らせるうねりが

わたしの胸をこおらせて

でも、
わたしは
川に呟く

わたしだって

人間で
いたくない

すきとおった雲に


のりうつって


流れていきたいのだよ



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