「ホーム」・なっつ


郵便ポストの影で立ちすくんでは
君のシルエットをさがした
若葉があおぞらのかいな(腕)となり
そよぐのは
うつくしく

汗ばんだ切符をにぎりしめて
君とぐうぜんにであう
芝居をなんどもくりかえして

ホームへすいこまれる
ひとのながれ
背中はどれも似たようにみえて
でも
みわけられたきみの背中が

ひとはこんなに
あふれる貝殻のように
この世界に
どっとおしよせるのに
なぜ
君を
さがすのだろう


われにかえるホームの
棒読みのアナウンス
白線に下がるひとびとの
足元にもう会えないことを
知る


最前部の窓から
車掌室から
広がるいちいさな都会
八ミリビデオのように
わたしの心と重なる
白いぼやけた涙のビル


鳩などいないと想っていた駅に
鳩がいたことに
安堵感をおぼえる


ホームは
冷たい岸辺であり
その岸辺でまつ人は
たちすくむ都会の案山子だ




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