「ひづめの音色が聞こえる」・星粒


マリーと呼ばれていて、
そのマリーになった私は
光のワルツを踊りながら、
城跡をさまよう。

見つけてはいけない遺跡を
無断で掘り出して、

おとなたちに追われて
逃げるところかもしれない。

アテネ神殿よりも、
もっと
廃墟のすなぼこりを

浴びながら・・


マリーと呼ばれた私は、
やっと振りかえり、

霞むとおくを見やる。

すると、追ってくるのは
アラブの商人でもなく、
中国の盗賊でもなく、
中世の騎士でもない、

栗色の毛並みの、

ひづめの音色の

やさしい動物。


夢の中から
夢の果てから

夢の出口へ

ずっとマリーになった私を誘い、
光のように寄り添った

心臓の鼓動のように、
かすかな音色の

動物。

マリーと呼ばれていて、
そのマリーになった私は
光のワルツを踊りながら、
城跡をさまよう。




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