「花」・レトロ

花
      
        かりめろ


わたしは花を育てています

わたしの胎内から芽生えた小さな芽に

少しずつお日様や

涙の水を与えてきました


この
小さな命に代えられるものはない


そうでなければ

自分の命を削って
花を育てる母など
いないのかもしれません


恩に着せず

疲れを見せず

花を育てるには
どこかで
溜息だけはつかせてください


花は育つ

そうして育つ


わたしは花を育てています

実をつけて
花盛りのころには

種だけ残し

雌しべとなって

風にふんわり飛んで
新しい命を育てる
旅にでる日もくるでしょう



その日まで
その日がくるまで

わたしは一つしかない
小さな花を
必死で育てようとしています
       


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