「風鈴」・なっつ


この小さなアパートでは

風鈴をつるせない。

そよぐ風の呼びかけに

返事はできない・・。

貴方よ、

わたしのこころはあの日から

風鈴のように

見えない空のむこうへ

物悲しいうたをうたいつづける。

その、

途切れがちな涼しさに

貴方は気づくだろう。

貴方のこころはやがて

秋冷の土のように

固まってしまう。

私をはねのけて・・。

あいたいとか

ありきたりのことばではいえない

風鈴のうたよ、

小さな響きではあっても

きっと山のひだをこえて

残暑のあの街の空へ

流れてゆくだろう

信じている



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