「ドングリ公園」・なっつ


ビオロンの、音に似た
風がさわぐ。
ふっと足元に
降る、その茶色い実を、

拾う


いびつな、その形に、
捨てられない
想いが湧く


草の豊かな茂みは
秋なのに蒼い

そこには
子供が木を揺すって
落とした実が

ごっそりとかくれている

息をひそめて。


ドングリよ、

素直な姿の、ドングリよ

君を見ていると、

流すことのなくなって久しい、
こおばしい涙が流れてくる


それは、
草に埋もれていた君の、
体温が
ひんやりとしているからか


わたしはそれを
ポケットに入れ、

家路をたどった


ころがるその温もり

きちんとかぶった帽子を
家で脱がせると、
ドングリは、
きらりところがり、
テーブルの木目に

そっと横たわった

そこに穴をあけると、

樹液のようなものが
ふっと流れて、

ドングリは息絶えた


愛らしい、少女の胸には、
紐にとおした

ドングリねっくれすが

揺れている。

ドングリは
少女の胸で、

暖かい
セーターの上で、

飛び跳ねて

そして、

夜が来ると、

やっと
眠る



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