「墓石」・レトロ


こころにのしかかる出来事

幾つも

墓石がこころに刻まれた。

わたしは

名前などいらない。

いちりんの向日葵を

添えてください。

なぜだろう

空の青さに

この街の空の冷たい空に

もたれていたら

墓石に頬を

つけてるみたいだ。

そうして

虫の音の息を

はいているんだ。

わたしの彫る日常の

不恰好な石像が


いくつも風に倒れている。

彫刻刀でこんどは

じぶんの墓石に

すばらしい過去を刻もうとした。

しかし

名前の無い墓石ゆえに

やっと

死ぬときに

はじめて価値が出る。

そしていま

わたしはそうした世界が

手に触れられそうな

至近距離でも

まったく震えはしない




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