「ある晴れた日に」・星粒


故国にもどる灰色がかった瞳の、
サンタに似た彼とは、
いつも山道で出会った。


片言の英語に、
彼はいつも微笑んだ

ある朝、
それは刷毛で水を塗ったような、

純粋な蒼いそら。

彼は、
要らない家具をくれるため、

招き入れてくれた。


調度品はすべて、
木製のもの。


そこに何冊か、
日本の書物が乱雑に置いてあり、


わたしの子供は、

彼の手から
羊型の黄色い消しゴムをもらった

使い掛けの、
彼の大きな手の温度が
感じられそうな・・。


ふかふかのソファに
腰掛けながら、
彼はひととき、

小さな写真たての
息子の写真を見つめた


そのあと、
わたしたちは、
庭の苗をいただいた

何の苗だかわからないが、
白い花が咲くという


隣人の彼が、
分厚い手でわたしの
手を握る

これで、

もうさようならだ
。


苗を抱えた夫が、
日焼した肌をさらしている。

木陰の光が、
キラキラと

みんなをつつんでいた。

ただ、
それだけのことなのに、


なぜだか
いまでも、


木漏れ日をかんじる





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