「アイリス」・星粒


紫の服を脱ぎ捨て
まといつく哀しみわすれ
いま
あなたの世界へとゆっくりとけていく

その部屋は
アイリスという名の
川のような色

揺らめく町の灯を
ブラインドで消して

さいごのうねりをつくる


あとさきも想わない
愛のゆくすえは

ふたりから漏れる
ためいきの炎で燃えた


うなじに触れる
しずかな旋律
あなたの指先のピアノに
ひかれて


惑いの秋の
アイリスという名の
その
部屋の

できごと




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