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●投稿者数26名、総数49首。選者25名。 |
■大賞 |
04 点滴を数えて朝を待つように棚田の村は春待ちわびる 柏屋叶志秋 |
■準賞 |
42 明け方のバサッと落ちる雪の音は思考回路の始まりの音 すみ |
■秀逸 |
25 傷跡をつつみ込むよう深々と震災の地に雪は積もれる 巻坊 13 園児らがドレミドレミと叩いてる軒の氷柱にチューリップ咲く 風詩 12 母さんと隣町まで手袋を買いに行った日ふるさと津軽 矢島孝胤 30 子の図画は家より大きな母とポチ空に笑顔のお日様を描く 柏屋叶志秋 36 かろやかにワルツのステップ踏みながら真冬の精がいま舞い降りる ゆりえ 32 地表とは天の底にて降る雪のたどり着く先ひと住むところ うさぴょん |
■入選 |
03 北国の雪みるほどにみるほどに父母と居た日々思ひ出す 学 01 束の間の薄陽も消ゑてきたぐには除雪灯点滅昼なほ暗き 長澤克己 08 重なったひとひらひとひらの想いで君を首まで埋めてあげる ぴーろこ 45 バス停に雪の積もりて垣間見るキッチン発のアフリカ旅行 テツ 48 暖かき言葉を求め家を出で雪を踏みつけ暖簾をくぐる 観紅楼 06 バス停に還らぬひとを待ちつづけ時に蜩また雪女郎 うさぴょん 07 約束の春までここで待ってます信じる心保温しながら 孝井 栞 37 生き過ぎた友のところへ行きたいと言ってた母が逝った雪の日 丸山 進 39 雪山にイチゴミルクをかけながら一掬いして微笑む巨人 風詩 14 菜の花の畑も今は銀世界もんしろ蝶のぼたん雪舞う 柏屋 圭 11 来ぬ人を待っております燃えている私の芯が灰になるまで 丸山 進 22 球根が冬眠中よお静かに春まで解けぬ根雪眩く 椿 31 積み上げた雪の重さは君だけを思った重さか来ぬ春を待つ みつき 40 夜の道誰かに呼ばれ振り向けばだあれもいない木枯らしの音 柏屋 圭 18 雪原にわだち光りて果も無く煌々たる月影冴え返りたり 美代子 49 農協のATMは使えるかい豪雪のなか踏ん張ってや 浩史 02 出してくれ〜 標識君の 嘆く声 かなり反省 もう懲りたでしょ 太正浪漫 29 底知れぬ雪しんしんと降りくれば小鳥このごろ音もせず来る 学 05 舞い降りた淡雪しろく積もるごと募る夢事恋と知らしむ みつき 34 曇天に掲げよ標識高く高くワタシハココニイキテイマスヨ ぴーろこ 09 庇まで届かんとする新雪のその輝きを楽しまんかな さるた 38 雪国の津軽の里の正月はさびしいけれどぬくもりがある 矢島孝胤 15 雪解けを 待ってる日々が 重なって お日様の顔 忘れ果ててく 山南薫 16 たましいを吸われたように外灯の雪を見つめて佇んでいる すみ 17 あわ雪よ愛を包んでふわふわとシャボンのごとく飛べ彼の人へ まりあ 20 義経の伝説ありし古里の弁慶塚に温き羽衣 太郎 21 にょっきりと雪に顔出すブロッコリーついばむ雉も豊かな緑 龍 47 雪の朝なかなか来ないバスだけど無口な北の冬の景なり 真田義子 23 バス停とわからぬほどに雪降って北の一月始まったばかり 真田義子 26 道東にあった坂下さん前停留所埋もれてないか元気でいるか 浩史 |