★木馬館06年11月句会選句評

★評に関する文章のみ掲載させていただきました。またこの他にも、沢山のご意見をいただきました、ありがとうございました。

(掲載は到着順)

杵島太郎
特選句の「団塊の渦を卒業しても冬」はモンスターを求職者の目で捉えたところが秀逸。早く本当の春を見せてあげたいものです。入選の「神様の内緒話が聞こえます」は深閑とした樹氷原で聞こえるものを聞く・・・その荘厳さがいいし「神様の工作授業始まった」のように視点を変えるのも妙手であり「抱きおうて炎になるか雪おんな」のように脚色するのも面白い。四句とも共通しているのは樹氷から離れて樹氷を詳しく詠んでいるところです。
美代子
特選句 迷いました(入選一句と)
福島時枝
真冬でもサーフィンに興じる人がいる神奈川県の海辺に住んでいますから、旅行者の視線でしか樹氷を捉えることが出来ません。
厳しさ、寂しさ、それらを笑い飛ばしてしまう諧謔などから選ばせていただきました。
千秋
厳冬のなかでの喜怒哀楽は、メリハリがあって分かり易く思います。
鹿野太郎
今回も難しい選でした。
テツ
特選句は願望。綺麗な樹の中で冬眠して、樹の精に力を貰って春を待つ。「綺麗な樹の中」に惹かれました。選はいつもながら迷いましたが、やはり楽しかったです。他に007、032、036、077が良いと思いました。館長、取り纏めご苦労様ですが、宜しくお願い致します。
月見る花代
いずれも甲乙つけがたい印象です。川柳と俳句は一緒になっており、投稿数も多いので気の毒に思います。
もし分けるとしたら、皆様の力作をもっと選べるので嬉しく思います。
3句めは自分のまったくの好みで入れましたのでご了承ください。
川柳をもっと選びたかったです。
鹿野椿
お世話様です。宜しくお願いします。
YASU
特選句から、ここ数年続いている事故や事件を思い出す。
樹氷とまだ死を信じられない仏の姿が重なる。
入選句以外のも好きな句が沢山あった。
古俣麻子
078・一字空けの後の「冬」に団塊世代の疲労感、悲哀が切実に迫ってきます。
007・作者は詩人ですね…。
007・これもメルヘンですね。
068・笑っちゃいました。楽しい句ですね!
山本野次馬
どの句も素敵なもので選ぶのに苦労しました。
橋立英樹
今回はテーマがやや難しかったので自分の作句も消化不良。そんな中すてきな句がありました。
027 空ひとつ千の顔持つ仏たち:詩的であり、解釈の分かれる句でもありそうだが、素直にすんなりと入ってきて、読後感もいい。広がりもあるし、深い。
016 思春期の樹氷を溶かす手の温み:「思春期の樹氷」に打たれた。下5が少々文字通り手ぬるい感じ。とても惜しい。
033 樹氷咲くあの世この世の境界で:その領域なんですよね。その境界あたりに我々の目指すべきものがあるんだと思うのですよ。そこに樹氷ですね。咲くのですね。いいです。
076 終焉のこの地に白き息を吐き:さわやかな印象の樹氷の写真にしては、どうしようもなく暗い句ではあるのだが、このときの白が救いでもあるような、さらに絶望感を深めるようでもある。面白いので採った。
真田義子
私もゆっくりと生きてゆきたいので、選びました。
八嶋静波
特選046 過冷却水滴(涙)と(風)と(樹枝)の合作による見事な樹氷。
入選032 炎になって白衣の雪の精がおどりだす、春は何時来る。
  041 内緒話は雪女のこと、樹氷フアッションのことやら。
  047 春が来るまでサヨウナラ、春を待つ心が雪の窓ガラスに、よく凍てついている。
えいら
077 凍てし夜の火のひらひらと人恋し 今夜も、ちろちろ燃える小さな炎を見つめながら、あの人のこと、かの人のことを考えています。なんでおれはここにこうしているのだろう。ああ、だれか来てほしい!
059 起きなくちゃもう人間に帰らなきゃ  春になると、冬の間樹氷だった人たちが街へ下りてきます。なに食わぬ顔をしていますが、そばに寄ると微かに雪の匂いがするので分かります。
067 踊れ踊れ五百羅漢の雪まつり  酒? いらない。おれたち、酒なしで酔えるの。   アーッ! ソーラン ソーラン と
075 春になれば平らになる貌だ  そりゃ、尖がった顔してるべさ。冬は厳しいもの。だがよ、やがて春サなればよ、優しい顔に戻んのよ。同じ髭づらに変わりはねえけんどよ。
みや
022 春になるまで言い訳しない影法師
 自然へのアプローチがいい、一気に読ませる力だろう。
027 空ひとつ千の顔持つ仏たち
 千も万も無数に空の顔がある、ちょっと仏心を見せる作者だろうか。
014 一粒のわが影落とす雪原に
 そうそう天体にすれば「一粒の蟻」でしかないのである、雪原を例えると納得。
054 冬眠させて下さい綺麗な樹の中で
 画像がそう問いかけてくる感じである、しかし人はだれでも美を追求したがる生き物である、其れゆえの句と読んでしまった。
苦しい悲鳴とたのしい悲鳴の選だった。どうもありがとうございます。

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