痛み

鈴木どるかす


缶詰が転んで
蓋が歯車となって
わたしの人さし指をえぐった

夢とか、花とか
空とか、風とか
もうそんな事は
どうでもよかった

ただひとつ選ぶとしたら
痛みに栓をして
十字架に
もたれかかること

わたしは悲しんでいる人のように
歩きまわった
人さし指が痛めば
最も近い中指も
ずっと遠くにいる足も
ふしぎに痛んだ


詩の投稿作品・1997年


詩の投稿作品


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