「不眠」・レトロ

メールを打つ
ミエナイ壁のむこうへ
 
メールを打つ
 
研ぎ澄まされた夜が
すこしざわめきながら
 
 
 
耳鳴りだろうか
 
 
 
さびしすぎると
ひとは
 
孤独とはまた異なった
 
 
エアーポケットにおちいる
 
 
受信件数のゼロ
 
という文字
 
 
見てしまった後悔の気持ち
 
 
 
底冷えする夜
 
 
信州はそういう夜
 
 
おそらく
 
 
ひとはわたしの存在は
 
 
脳裏から消えているだろう
 
 
 
 
ひとづきあいが
けむたいならば
 
 
それで良かったはずだが
 
 
それではなぜ
メールを打つ・・
 
 
ぱち、ぱちと
 
指で送るSOSが
 
 
とどいたひとはいま
 
温もりにつつまれ
ネムルであろう
 
 
 
金の粉を吹いた月が
満ちるそら
 
 
そら・・そらに・・
 
メールの音色ひびくよ
 
 
ぱち、ぱち・・・
 

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