「煙突」・こうせつ

・画像:こうせつ「煙突」

煙突の煙が空に垂直に上る
まるで蒸気機関車の煙の様に
吸い込まれて逝く どす黒く
染まる空

こんなはずしゃない もっと
晴れやかな空だったはず
空の青さが消えたのは
いつからだろう

人は忙しさのあまり 下を向いて
歩き初めてから 空を見なくなったのか
うつむきかげんで肩を落とし 重いカバンと
足取り歩く人々

上を向いて胸を張って闊歩する 人が
少なくなった だから空もどす黒く
人の心と同じ色合いに染まる 煙突
が偉そうに天に向かって立っていた

わしずかみで 煙突を握り潰して
吐く煙を閉じこめてやろう
大きな袋を煙突のさきっぽに
ぶら下げて 口笛吹いて空に
挨拶

微笑む空に 煙突の穴が何か言ってる


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詩の投稿作品・1998年後半


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