「Desire」・穂恵多

すこしだけ  風  をください
堕ちてゆくまでのながい時に
草笛を  鳴らすために

海鳴りにおののくきみが
きらめく拒否で昇る白い階段

ぼくが居た場所を求めて
一歩ずつだけ進むきみの
見えない記憶に届くように

凪いだ海に架かる  日常の吊り橋を
何度もぼくは  踏みはずすから

哀しみの草の葉だけでなく
あの荒野を駈けぬける
狂ったような  風をください


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詩の投稿作品・1998年前半


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