segaGT 2002 −上出来 ★★★★☆−

本体と同時に購入したもう一つのソフトです。GTとあるとおりレーシングゲームなのですが、いわゆるカーライフシミュレータと呼ばれる分野に属します。個人的には、3Dレーシングの先駆けと言えば、セガがメガドラで発売した「バーチャ・レーシング(以下、VR)」を思い出しますが、アレから相当進化したと思います。
大方の人はVRなんて聞いたことがないと思いますが、もともとアーケード版だったものを1994年に移植したもので、「セガ・バーチャ・プロセッサー」なるポリゴン処理専用チップを搭載している代物です。秒間9000ポリゴンを処理することが可能なこのプロセッサですが、当然ながら、今のゲームとは比べるのも可哀想な世界を描き出してくれます。一番比較しやすいのはタイヤだと思いますが、VRのタイヤは、明らかに8角柱です。私はキャタピラタイヤと呼んでいました(全然キャタピラと違いますが)。今プレイすれば「ショボさ爆発!」といった感じを受けるでしょう。まるでどこかのプログラマが、趣味で作ったゲームのようです。一方、セガGTのタイヤはかなり滑らかで、角柱でないのは当然として、決して円柱などでもありません。角がきちんと丸みを帯びています。しかもその表面の質感までもが再現されていて、限りなく本物に近づけられています。また、VRにはテクスチャというものはなかったので、芝や岩の表面は極めて滑らかにできていました(つまり、単なる色付きの板でした)。少しでもリアル感を出すためなのか遠景は2Dなのですが、そのために、コースが海の上に空中浮遊しているように見えたりして、ある意味で開発チームAM2の苦労がしのばれます。同程度のグラフィックスで、もう少し有名なゲームとしては、「バーチャファイター」とか「スターフォックス」があります。余談ですが、少し前に隣町のゲーセンにいったら、その程度のグラフィックスを使った10年前のシューティングゲームが稼動していました(でもやっぱり1プレイ100円)。

しかしグラフィックスは仕方ないとして、操作感・リアルさは当時としてはかなり良かったと思います。それをさらに向上させているのがセガGTです。ゲームというよりシミュレータといったほうがよいと思います。同様のゲームであるグランツーリスモ2(それ以降はプレイしたことがないのです)は馬力で押し勝つことができますが、このゲームはフォードGTコンセプトなどのよほど速い車を使わない限り、そうもいきません。特に単純なコースでは、油断するとすぐに追いつかれてしまいます。また、COMを独走させるともう追いつきません。また、壁や他車に接触するとダメージが増えていって、限界を超えるとリタイアになる設定も良いと思います。これにより、壁にぶつけて走る反則プレイができません。もっとも、時速200キロで壁に垂直に突っ込んでも即リタイア(というか即死)にならない点が現実とは違いますが、そこはゲームということで。走っているとタイヤやサスペンションが磨耗してくるのはちょっと余計かなと思いますが、これもまたリアル指向な故でしょう。とにかく乱暴な走りができない、または、してはいけないゲームです。コース数が少ない点が少し不満ですが、その分、よく作り込まれていると思います。ただ、もう少し熱中できる何かが欲しかったなと、思います。
ゲームの内容は単純で、イベントレースで金を稼いで車を購入したり改造したりして公式レースに参戦し、勝ち進んでいくものです。全てクリアするとセカンドステージが待っています(サードがあるかどうかは知りません)。これとは別にクロニクルモードというものがありますが、こちらは非常に難易度が高いです。例えば昔のスカイラインを使って今のスカイラインに勝つようなモードですが、昔の1.5倍もの馬力を誇る現代車に勝つというのは至難のわざです。一応パワーアップもできますが、やはり困難であることに変わりはありません。馬力で負けている以上、テクニックで逆転しなければなりませんが、COMも相当な実力です。プレーヤーが近くにいるときに、COMの挙動が乱れることを生かして勝つしかなく、一度離されたら敗北決定です。
昔の車というと1960年代のものからあるので、往年の名車を眺めたり、操縦したりする楽しみもあると思います。昔の車で選ぶなら、私としてはフォードGTが好きです。今の車ならEXIGEあたりがかっこいいと思います。日本車ならRX−7。ちなみに説明書のカタログにはいくつか間違いがあるので注意しましょう。

セガGTの話から外れますが、処理速度に関して話してみたいと思います。スーファミのスターフォックスに、ポリゴン処理専用チップが搭載されていたかどうかは知りませんが、いずれにしろ、16ビットCPUではテクスチャを処理するまでには至らなかったようです。というか、浮動小数点演算のコプロセッサが必須なのでしょう。それがない32ビットCPUである486SXを搭載したPC9821Cbで、テクスチャを使っているレーシングゲーム「デイトナUSA」を起動してみたら、1フレーム描画するのに10秒くらいかかっていました(しかもDirect3Dでなくて、Drawのほう)。32ビットCPUを搭載しているゲーム機といえばプレステとか、32X(メガドラ用の追加モジュール)がありますが、これだとテクスチャを処理できています。
先ほど紹介したVRは毎秒9000ポリゴンを処理できますが、では最新のゲーム機であるXBOXはどのくらいなのか、ということで調べてみました。すると、あるサイトで1億(!)2500万ポリゴン毎秒という記述を見つけました。およそ1万4000倍高速という、まさに桁違いの速さです。単純に言い換えれば、XBOXはVRの1万4000倍緻密な画像を表現できるということです。それだので、あんなに丸いタイヤを描けるわけです(単にポリゴン数の増加だけがその理由ではありませんが)。ちなみにPS2は6600万ポリゴン毎秒だそうです。では最新の家庭用PCのグラフィックスチップではどうか。まず最もメジャーなNVIDIA社のサイトを覗いてみましたが、ポリゴン処理速度ではなくて頂点処理速度しか書いておらず(この二種類の速度が同じ意味かどうかはわかりませんので)、ではATI社のほうはどうかと思ってそちらを見たら、書いてありました。412メガポリゴン、ということは、4億1200万ポリゴン!XBOXの3倍の処理速度とは、いったいどのくらい綺麗だというのでしょうか!この分だとあと数年後には、キャラクタが髪を固めなくていい日が来るのかもしれません。

28 November 2003


先日、改めてプレイしてみたら、そんなに難しくはありませんでした。COMは意味不明に壁に接触するし(笑)よく見たらセカンドステージもクリア済みでした。

05 December 2003