私はゲームの中でも特にレーシング系が好きなので(無免許ですが)、現在所有している6本のソフトのうち3本がレース物です。このゲームもその一つで、本体購入と同時に買ったものです。タイトルに「ラリー」とあるとおり、ラリーカーで、ラリー用のコースを走ります。システムを先に紹介しておくと、まず初級者用のレースをクリアしていって、ポイントを貯めることから始まります。使用できるマシンも初級者用のものです。何を使っても構わないし、途中で変更することもできます。ポイントが一定値に達すると、中級に進むことができます。中級の上に、上級、無制限と続きます。現段階では上級まで行っています。各級には○○カップとか○○シリーズといったレースの集合が用意されていて、そのシリーズのレースをすべて終えると、総合ポイントの順位に応じてボーナスポイントを得ることができます。
このゲームを普通のレーシングゲームと同じ感覚でプレイすると、はっきりいってレースになりません。例えば直角カーブの曲がり方にしても、普通は「あー、カーブが来たなぁ。よし、ブレーキをかけてっと、ステアリング、そしてアクセルオン」みたいな感じで操作すれば、最速ではないかもしれませんが曲がることができます。このゲームは路面とタイヤの摩擦係数が小さく、グリップがまるでないために、思い切りカウンターをあててドリフトしなければ、直角カーブを曲がりきることができません。アイスレースになるとさらに顕著です。走っているという感覚はまるでなく、滑っているといったほうが適切です。ドリフトが成功すればよいのですが、失敗すればスピードが0になってしまいます。また、曲がるのに失敗した場合、基本的にガードレールというものがないために、コース脇の土手に乗り上げるか看板に衝突してひっくり返るか、それとも崖から落ちるかのいずれかです。それに走っているマシンが500馬力(ちなみに日本の市販車はせいぜい280馬力くらい)を超えるようなものばかりです。エンジンを二つ積んで1000馬力近いパワーを実現している壊主苦悪怒なるマシンもあります。コンマ一秒ずれれば終わりというシビアな操作を要求される一方、失敗した場合に再スタートすることはできません。レースを途中でやめれば棄権ということになり、ポイントは0です。もう一度プレイするには、そのレースだけではなく、シリーズ全体をもう一度やり直す必要があります。コースアウトしてもマシンをすぐにコースに戻すボタンがありますが、それでも後続のマシンにあっという間に追い越されることになります。ブロックすればよいのでしょうが、このゲームはラリーです。よって一人で走ってタイムを競うのが基本なので、ブロックもできません。また、コース図が表示されず、コドライバーと呼ばれる助手席の人が「緩い左カーブだ」「障害物に注意せよ」ということを英語で知らせます。これはリアルさを重視した結果だと思いますが、しかしコドライバーのタイミングが悪すぎます。カーブだと言ってしばらくしてからカーブがやってきたり、すぐに来たりして、ほとんど役に立ってません。本番の前に入念にテスト走行を繰り返し、全ての操作が同じようにできるようになったとしても、やはりミスをすることがあります。いつもと違うということがわかった時には、既にコースアウトする運命になっているので、タイムを落としてでも安全な曲がり方をしてギリギリの勝ち方をするか、ミスしないことを祈りつつ危険な走り方をして勝つかのどちらかですが、プレーヤーは基本的に速く走ろうとするわけで、当然後者を選びます。このゲームは普通のレーシングゲームとは違うということを、しっかり認識すべきです。面白いがどこかに欠陥のある(それともわざとそうした?)のが、MS社のゲームの特徴だと思います。テストプレーヤーがどんなに上手いのか知りたいです。
レースはラリー、ラリークロス、アイスレース、ヒルクライムの4種類あります。ラリーとは舗装路や泥道を走るようなレースです。舞台はサバンナ、熱帯、どこかの山中が用意されています。山中のコースはほとんどが舗装されており、スピードが結構でますが、路肩は切り立った崖になっていて、しかも場所によっては申し訳程度の縁石しかないので、極めて緊張感あふれるレースを楽(苦?)しむことができます。ラリークロスは一人で走るのではなく、プレーヤーも含めて4台のマシンで周回して競う形式です。舗装路が多く、4種類のなかでは最も簡単です。アイスレースはラリークロスの雪上版といったところですが、グリップが全然ないので、思った方向に曲がることすら困難なレースです。四輪とも常に滑っています。あまりスピードは出ませんが、高度なテクニックを要求されます。説明書には、ラリーテクニックの原点を楽しむことができると書いてあります。いやというほどドリフトできるということなのでしょう。そしてヒルクライムは最も難度の高いレースです(個人的には一番好きです)。名前の通り峠道をひたすら登っていくレースですが、これもガードレールなるものはおろか、縁石すらも存在しません。なのでコースアウトすると鳥になってしまいます。そして舗装路面ではない(雪道もあるらしい)のでグリップも確保できないため、極めて慎重な操作を要求されることは言うまでもありません(しかしスピードを上げないと勝てません)。「非常に危険なコースでレースが行われます」と説明書には書いてありますが、まさにそのとおりで、本物のドライバーはきっと命知らずです。というか、こういうところにガードレールがないというのは安全上問題にならないのでしょうか。いつ死人が出てもおかしくないと思うのですが。
ラリー専門のゲームとしてラリー好きの方にお勧めです。ただ、普通のレーシングゲームとは感覚がまるで違うということに注意してください。
14 November 2003
私は間違っていました。いや、やはりこれもゴッサムのお陰なのかもしれません。そもそもラリーには、ラリーの走り方というものがあるのです。それぞれのコースの特色を把握し、操作しなければならないのです。そんな当たり前のことを、私はしないでいました。ハンドルを切っただけで曲がらないのは当然。ブレーキが殆ど意味をなさないのも当然。だったら、直線で加速しなきゃいいのです。これに、私は気が付かないで、いままで何度も、鳥になりました(苦笑)
ゴッサムをクリアしてゴッサム2を買ったものの、あまり面白くなく、他に所有しているレーシングゲームでクリアしていないものといえばこれだけだったので、再挑戦してみました。
一度レースを始めたらリスタートできないと思って、それで今まで放置しておいたのですが、レース中に負けが決定して、烈火の如くイジェクトボタンを押し、冷静になって再開したら、なんとレース前の状態に戻っていました。ということは、「負けそうになったらイジェクト」で、何度もリスタートできるのでした!ああ、なんでこれに気が付かなかったのでしょう。ゲームのロードにかかる時間も、同じシリーズをもう一度繰り返さねばならない時間に比べたら、とても短いものです。これで、私は俄然、やる気になりました。
そして次々と(得意な)シリーズを1位でクリアしていき、ようやくアンリミテッド、つまり改造制限なしのマシンを使用できるようになりました。何台かある中で、最もパワーウェイトレシオ(1馬力当りの重量のこと。これが小さければ、軽いマシンを大きな馬力で動かすことになる)の良いマシン、壊主苦悪怒を使うことにしました。んで、これが速いのなんのって、となるのが普通かもしれませんが、少なくともタイムの上では確かに速いのですが、使ってみてそんなに速いとも感じませんでした。やはりゴッサム効果でしょう。
アンリミテッドになると、ヒルクライムにもアイスレースが出てきます。路面はアイスターマックとなっていますが、あまり滑らない気がします。ここは結構楽しかったです。普通のヒルクライムはストレートとカーブを繰り返しますが、ここはひたすらカーブを繰り返したり、長い直線があったりと、少し趣を異にしている感があります。
他のシリーズもひとつクリアして、ようやくアンリミテッドも終了。で、ゲームはこれで終わりかと思ったら、オマケがありました。以前から、「ヒルクライムがあるのだから、ダウンヒルがあってもよさそうなもんだな」と思っていたのですが、やはりありました。ヒルクライムに登場する全てのコースの逆走バージョンが、プレイ可能になりました。ついでに、ゲームを作った人達のプレイしたゴーストとも競争できるようになりました(そんなに速いわけでもない)。
個人的には、アンリミテッドのマシンで遊ぶより、初心者用のマシン、例えば未苦羅などでゆっくりヒルクライム、ダウンヒルをプレイしたほうが面白かったりします。参考までに、色々な車のパワーウェイトレシオを計算してみました。
車名 ( 年) |kg/ps ------------------------ 水落 TR 4WD ('98) | 12.0 ------------------------ 出美緒 GL-X ('99) | 9.6 ------------------------ NS×−S ('02) | 4.5 ------------------------ 在×七 ('01) | 4.6 ------------------------ 未苦羅 | 5.1 ------------------------ 壊主苦悪怒 | 0.8!
この値が 1 を切るようなマシンは、ほどんど特注です。このほかにも、確かフォードのコンセプトマシンが 1 未満でした。
ゴッサム2に同梱されているムービーには、ラリースポーツチャレンジ2と思われるゲームが録画されていました。今年のうちに発売になるかもしれません。どういうムービーだったか忘れましたが、私の予想では、例えば雪山で吹雪を起こすとか、夜のレースがあるといった進化を遂げるだろうと思います。ただ、ゴッサム2のようにフレームレートは下げないで欲しいな、と願っています。
最後に、以前「コースマップが表示されない」と書きましたが、メニューから選択することで、「自分の周囲」のマップが表示されるようになりました。でもあんまり役に立たず、結局は何度も走ってコースを頭に叩き込んで勝ちました。
23 January 2004