O・TO・GI〜御伽〜 −爽快 ★★★★☆−

これはレーシングではなく、武器を振り回して敵をなぎ倒していくタイプのアクションゲームです。こういう系統のゲームはほどんどやったことがないのですが、かなり楽しいゲームであると思います。パッケージには「身も震える究極の爽快感!」と書いてありますが、身が震えるかどうかはともかくとして(手は震えますが)、爽快であることは間違いありません。
ゲームの舞台は平安時代をモチーフにしているのだそうですが、一方で、朝廷が結界を張ってから1000年ということもかかれており、平安時代という設定には矛盾があります。まあそれはよいとして、主人公はライコウといって、結界が崩壊したときに死にかけたのだけれど、ヨモツヒラサカノヒメという謎の人物によって助けられたのだそうです。何故助けたのかというと、妖鬼を討伐させるためです。少し前にブームになった陰陽師を踏襲したものと思いますが、話は少し違っていて、ライコウは朝廷から人々に寿命を果たす仕事(つまり抹殺)を課せられていたとのことです。

このような舞台背景があるわけですが、そんなことは知らなくても十分に楽しむことができます。要は「全てを破壊しろ」ということです。ここでの「全て」というのは、妖鬼に限らず、マップにあるほとんど全てのオブジェクトです。その辺に立っている石塔や樹木を始め、建物や橋、岩まで破壊することができます。特に小攻撃ボタンを連打しただけで、ライコウが踊るがごとく武器を振り回してコンボを決めていく様は、快感とも言えるものです。コンボは場合によっては100を超えることもあります。また大攻撃ボタンを押すと、敵に大ダメージを与えることができて、なおかつ敵がザコだと吹っ飛んでいき、壁に激突させることができます。この時、ぶつかった先が壊れるオブジェクトだと、オブジェクトが壊れます(自分が敵に吹っ飛ばされた場合にも壊れます)。オブジェクトを破壊すると、たまに形代(かたしろ)という「元人間だったもの」が現れます。これを100%解放してやることでボーナスを得られることがあります。武器の形状は基本的には4種類で、剣、大剣、棍・杖、二刀流に分類され、連続攻撃系と一撃必殺系のように分類できます。例えば軽い武器は小攻撃の威力が上がるけど、大攻撃の威力は下がります。重い武器はその逆です。重さは移動の速さやジャンプの高さにも影響します。軽い武器で敵をなぎ倒していくやり方のほうが楽しいと思います。ただ、ボス戦には重い武器のほうが向いているような気もしますので、マップによって使い分けるのがよろしいかと思います。ちなみに全ての面にボスがいるわけではなく、3つの鏡を壊せばクリアというような面もあります。また、武器はヨモツヒラサカノヒメから購入したり、ステージのどこかに落ちていたりするものもあります。巫術という魔法のようなものも使うことができますが、使わなくてもサクサク進みます。敵が放った巫術は、武器による攻撃で跳ね返すこともできます。
ひとつ不満なのは、事実上の時間制限があるということです。ライコウには巫力というパラメータがあって、これが時間とともに減少していき、0になると生命力が減少しだします。これはライコウの命がヨモツヒラサカノヒメによって与えられたカリソメのものであるからなのだそうです。巫力はコンボを決めたり、アイテムを入手することで回復しますが、水に落ちたりするとどんどん減少していきます。普通にクリアする分には問題ないのですが、オブジェクトを全て破壊するには時間が足りない場合がほとんどです。ステージをクリアするたびにマップデータがハードディスクに記録されていくので、同じステージを何度も繰り返してプレイし、少しずつ破壊を進めていくのがよろしいと思います。どんなに建物を破壊したところで、そのステージの任務を達成しないと意味がありませんので。

なかなか良い出来のアクションゲームだと思いますので、一度プレイしてみることをお勧めします。決して、つまらないことはないはずです。

21 November 2003