Project Gotham Racing 3

Xbox を代表する人気レーシング ゲームの第3段です。「メダル」と「クードス」という基本システムは変わっていません。

最初にいくらかの資金を持っていて、それで車を購入します。普通なら、いわゆる軽乗用車に分類されるようなマシンしか手に入らないのですが、そこはゴッサム。いきなり NSX などの高パフォーマンス マシンから始まります。というのも、「最高時速が 170 マイルを超える」という条件をクリアしているマシンだけが登場しているからです。そもそもスタイルを競うのであって運転技術を競うのでないから、パワーのないマシンはいらないということなのでしょう。

マシンは 80 台登場しますが、いずれもかなり細かいところまで描かれています。また、運転席から見たカメラ視点(ボンネットでない)があるのですが、そこで表示される計器はただの絵でなくて、実際に動きます。ガレージでは、所有するマシンを 360 度の方向から眺めることができますが、その細かさは相当なものです。

ただし、レース中は若干クオリティが落ちます。フレーム レートは、正確なところはわかりませんが 15fps くらいです。前作と変わりません。普通のテレビの D1 で見る限りでは、なんだか緻密に描かれたアニメが動いているかのようです。それでも、普通は背景画として描かれる観覧車がきちんと回転していることや、観客がこちらの動きに合わせて反応することなどを考えれば、まぁ 15fps でも仕方ないかもしれません。

難易度については、このシリーズの中ではもっとも低いと思います。以前は、コンピュータの非情な特攻やマシンの不可解な挙動に激怒。開発者の人間性を疑い、しまいには怒りを秘めた微笑さえ浮かべてプレイしていましたが、今回はそういう苦痛は(あまり)ありません。挙動が安定したようです。

メダルは2のときと同じく、スチール・ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの5段階ありますが、スチールは簡単すぎてプレイする意味がありません。普通の腕があれば、オール・ゴールドを目指すのがちょうどよいと思います。レースをクリアし、クードスを稼いでいって新しいマシンを購入していくわけですが、そんなに高額でないので、マシン選びさえ間違えなければクードス稼ぎに奔走することはないと思います。全部で 80 台ありますが、オール プラチナあたりまで頑張れば、すべて購入することも可能です。

マシンのレベルは最低のEから最高のAまで5段階あり、基本的にパフォーマンスで分類されています。それに相関する形で、価格も高くなります。プラチナ メダルを目指すならばAが必要ですが、決して、もっとも高い F50 GT とか F1 LM でなければならないということはありません。マシンの個性を生かせばよいわけです。

対戦モードのほうでは、新たにコースを作り出す機能があります。といっても地形を操作するのでなくて、既製のサーキットの中で通過するコースを指定するだけです。これについてはちょっと完璧でないところがあって、コース上に設けられる仮想の壁が、不自然な位置にできることがあります。例えばあるY 字路に壁が設置されてヘアピンができることがあるのですが、内側のガードレールとこの壁との隙間が車1台分しかなく、曲がるのが困難です。また、別のカーブでは、コーナーの内側から壁がはみ出ているため、いつもどおりに曲がろうとして壁にぶつけてしまうこともあります。これについては改善の余地があると思います。

コースに関しては、東京、ニューヨーク、ロンドン、そしてラスベガスとニュルブルクリンクが収録されています。ラスベガスの連続ヘアピンは、長いドリフトを決めるのに最適です。ニュルブルクリンクは外回りだけでなくて、内側にあるコースも走行可能です。

全体としては、細かい点について不満はありますが、普通にプレイする分には申し分ない‘スタイリッシュ’レーシング・ゲームだと思います。

30th April 2006