前回紹介したセガGTに、「そんなに難しくなかった」と追記したのは、恐らく、いや、間違いなく、このゲームをプレイしたためだと思います。セガGTはクリアしてからずっとプレイしていなくて、記憶だけで書いたのがその失敗の原因だったと思います。そこで今回は直前にプレイして雰囲気を確認してから書きました。
ゴッサムは、実際にある車を使って実際にある街を走り、「テクニックを駆使して、スタイリッシュなレースパフォーマンスを競う(説明書曰く)」ゲームです。あくまで「スタイリッシュなレースパフォーマンスを競う」のであって、単に速ければいいというわけではないのが特徴です。まあ要するに、空を飛びつつケツを流しつつ、かつそれなりに速く走り、レースのクリア条件を達成(例えば、制限時間内に何台以上追い越すとか、何回周回するとか)すればよいのですが、この条件が厳しいことといったらありません。ほんとに。「お前が下手くそなだけじゃねぇのか」と言う人がいたら、「やってみろ」と言いたくなります。ただ、条件の高さに応じて金銀銅メダルを獲得できるのですが、銅メダルレベルでクリアするのはそんなに難しいわけではありません。金で、となるともう狂気の沙汰です。
狂気の沙汰といいながらもう35時間もプレイしている私ですが、その成果はといえば、まだ銀が25個残っています。金メダルをとった瞬間と言うのは、こちらは同じキョウキでも驚喜です。あるレースで、これは一定以上の好タイムを出したらクリアというやつで、金銀銅のそれぞれの基準を超えると画面左に表示されているメダルが回転する仕組みになっているのですが、もう同じコースをぐるぐると2時間以上回り続け(1周1分くらいだとして120周?いやそんなに周った覚えは……)、夜も更けてきたことだし、いい加減やめようかなーと思っていたとき、ゴールラインを超えて「またダメだろうなー」と、ちらっとメダルを見た瞬間、金メダルが回転している!「・・・お、おぉぉぉ!(誇張ではありません)」まあはっきりいって金メダルへのこだわり以外に、ゴッサムを何時間もプレイする理由はありません。銅でもよかったら別にそんな苦労もしないと思いますが、その分だけ喜びもないわけで、やはり金を目指したほうが面白いと思います。
ゴッサムの特徴と、ちょっとおかしなところ(バグ?MS社曰く仕様?)を列挙したいと思います。
マシンは全て実際にあるものです。日本でもおなじみのビートルやスカイライン、F50もあります。遅い車は後半になったら見向きもされなくなる、というわけではありません。それぞれのマシンで新しい車体色を得るためのレースが用意されています。ただ追加の車体色というのが単に金銀銅の光沢を得るだけのものなので、むしろそれぞれのマシンを極めて金メダルを得るためにあると思ったほうがよいです。特別な車体色(レーシング仕様?)もあるようですが、金メダルを獲得してもそれは使用できないままです。きっと他に条件があるのでしょう。それで、一番速いのがF50とカレラの両方であるかのように表示されていますが、実際にはF50のほうが速いです。これには私は憤慨しました。ほんとはカレラのほうが好みなので、F50とカレラしか出現しないレベル13をカレラで走っていました。どうにかこうにか2位以内(銀メダル)には入れるのですが、直線でいつもF50がぐんぐん追い上げてくるので、「なんかおかしい」とは思っていましたが、同じ直線を同じ距離走らせて最高速度をとったら、F50のほうが速い!これでは難しいわけで、おとなしくF50に乗り換えたら、比較的簡単に勝てるようになりました。嘘はいけないと思います。なお、一般によくあるCOMをブロックして勝つ方法ですが、ゴッサムではかなり危険です。直線でブロックしてもCOMはほとんど減速しないし、カーブでブロックしようとすればCOMが無神経に突っ込んできて、あさっての方向を向かされてジ・エンドです。金メダルを狙うならこの時点でリスタート決定で、お陰でリスタートが高速にできるようになったと言っても過言ではありません(笑)とにかく、ブロックというのは危険極まりない手段です。何度カーブで突っ込まれて、モニターに向かって○○○○!!!!とか×××××!!!!!といった暴言(ご想像にお任せします)を吐いたことか。特に12周レースの12周目で突っ込まれた日にはもう……。逆にカーブで敵に突っ込んでいくのは成功率が高いようです。
これも実際の街を再現しています。街を再現したのであって、サーキットはひとつもありません。東京・ロンドン・ニューヨーク・サンフランシスコの有名どころが再現されています。道路を仕切るのは建物かガードレールで、砂地や芝生という緩衝帯は存在しません。必ずしも道路を走るのではないところがこのゲームらしく、公園やアーケード(?)の中を通ることがあります。場所によっては幅が2メートルくらいしかないような場所や、階段があるところも(ゲームということで、ご容赦ください)。気をつけるべきはアップダウンの激しい直角コーナーで、下手な曲がり方をすると簡単にスピンします。ここはコーナーを斜めに走るか、アクセルを離して曲がるとよいです。でもあまり丁寧に走る必要はなく、かっこよくテールスライドさせて走ってもよいのでかなり爽快です。ゴッサムの面白さはそこにあります。タイムアタックで走行できるコースは、ゲームを進めると増えていきますが、何故か全てのレースでメダルを獲得したにも関わらず、一つだけ走行できないコースが残っています。どうすればよいのかはわかりません。全てのレースのコースを調べても、そこは使用されていないし、どうなっているのか。
クイックレースとアーケードレース、クードスチャレンジとメダルパースートという4つのモードがあります。クイックレースとは単にCOMと競争して勝つモードです。面白いことに、COMの使用するマシンは、自分のマシンのレベルと同じになります。例えば自分がスカイラインを使うと、COMもスカイラインや同等のレベルのマシンを使うし、自分がビートルなどの低速マシンを使うと、敵も低速マシンを使います。ベリーハードとかイージーといったレベルには関係ありません。アーケードレースはクードスポイントを一定以上稼ぐことがクリア条件になっています。クードスポイントというのは、「スタイリッシュな走り」をすると獲得できる点です。ゲームの全てのモードで通算して加算されます。これを稼ぐと新車が使用可能になったりします。アーケードモードにおいては、パイロンの間を通り抜けたりテールスライドしたりすれば稼ぐことができます。これがかなり緊張を強いられるもので、金メダルを狙うなら、一個でもパイロンを倒したら終わりです。しかもパイロンの間隔が車幅ぎりぎりだったり、カーブにもパイロンがあったりと、ほんとにリスタートの操作を上達させてくれます(笑)あまりの緊張のせいか、クリアしたあとで心臓の鼓動が聞こえたときもありました。しかし直線でも無理矢理ドリフトしなければならないというのは、全然スタイリッシュには思えません。クードスチャレンジは色々なクリア条件が設定されています。例えば制限時間内に何台追い越すとか、何回周るといった条件です。んで、普通はレベル12までしかないのですが、ある条件をクリアするとレベル13が現れます。メダルパースートというのは、1で述べた「新しい車体色を得るためのレース」です。これが一番苦労した気がします。それぞれの車で一つのコースを走り、ラップタイムがメダルの基準をクリアすると、そのメダルの色の車体色が手に入るというものです。これはとにかく速く走るのみで、クードスは関係ありません。半端なタイムのクリア条件は、きっとテストプレーヤーが出したタイムなのでしょうが、きっかりのタイムは、もしかしたら単純な計算か予想で「このくらいいけるだろー」みたいなノリで定めたタイムなのかもしれません。いちおう全て金メダルを取ることができましたが、本当に苦労しました。ちなみにクイックレースとアーケードレースも全て金メダルで、クードスチャレンジはレベル9まで金メダル。あとは金銀混合。
BGMが良いと思います。CDモードとラジオモードがあって、ラジオモードの場合は建物の影に入ると音が聞こえなくなるところまで再現されているし、DJも喋ります。ただ、CDモードなのに、途中で音が聞こえなくなる曲もあります(バグか仕様か)。手持ちのCDからハードディスクに録音した曲をBGMにすることも可能です。でも初めから収録されている曲もなかなか良いと思います。
視点についてですが、カメラの位置を変えられるのは当たり前として、カメラのレンズも何種類か切り替えられるのが面白いと思います。例えば魚眼レンズにすると、かなり奥行き感が出ます。
ゴッサムを起動後、一旦ディスクを取り出し、また起動すると、必ず「読み取れない」というメッセージが出て失敗します。多分仕様なのでしょう。クードスポイントを得られるアクションは8種類ありますが、そのうち360度回転する「ナイス360」はやったことがありません。アクセル全開でパワードリフトに持ち込み、ハンドルをロックしてターンするとありますが、よくわかっていません。ちなみに私は無免許です。
多分これまで説明した限りでは「ふーん、まあ難しいんだね」という程度のことしか伝わらなかったと思いますが、実際にプレイしてみると、私の説明したことが嘘ではないと思うはずです。ただ、難しいのは以前紹介したラリースポーツチャレンジ(これもMS社製)も同様で、ただ難しいだけならやっぱりやる気を失ってしまうはずです。しかし難しいのにも関わらず、ゴッサムがやる気を失うどころか、むしろのめり込んでいくようなゲームであるのは、パッケージの裏に「自分の走りに酔いしれろ!」と書いてもいいと思うほど、走るのが快感だからです。ただ単に速く走るだけなら、壁にぶつけて曲がるという手段もあるし、実際にそっちのほうが速いときもありますが、それはやっぱり邪道だし、何より「スタイリッシュ」でありません。また、これがシミュレータとして作ったのであったら、こんなに華麗な走りはできないと思います。F50なんて乗る機会はまずないと思うし、ゲーム中のマシンの挙動が実際のマシンのそれに近いのかどうかもわかりませんが、ゴッサムはゲームであってシミュレータではないから、そんなリアルさ云々は二の次で、とにかくカッコよさを追求したゲームであると思います。でもやっぱり頭に血が上ることと極度の緊張感から、心臓の悪い方・血圧の高い方はプレイしないほうがよいかもしれません(笑)
もう「2」が発売されたようなので、近いうちに買ってプレイしたいと思っています。楽しみだなぁ。
*ちなみに「ゴッサム」とはニューヨークの異名です。「愚か者の村」という意味もあるようです。
05 December 2003
やっと全て金メダルを取ることができました。プレイ時間39時間、走行距離5554キロメートル。レーシングカラーのマシンが使用可能になり、クードスポイントが2倍になるジョーカーも使用回数無制限に。
10 December 2003