とりあえず作ってみたい

レンチキュラーレンズを使って3Dやチェンジング画像を作ってみたい場合について説明します

わかりやすいように図を入れたり、レイアウトを工夫して、と思っていたらいつまでもできませんでした。

なので、とりあえず作ってみたいという人向けに、とりあえず文章だけでずらずらと書きますね。

1.画像を用意する

3Dにする場合、視差のある画像を10枚用意する。10枚が難しければ6枚以上。

・デジカメで撮影する場合

デジカメで被写体の中心点にカメラを向けて、等間隔に移動しながら手撮でOK

等間隔というのが大事ですが、だいたい等間隔でも大丈夫のことが多い

中心や傾きのずれは後で補正できるので、だいたい中心点に向けて撮影してOK

高さ補正はできないので同じ高さで撮影すること(撮影途中で立ったりしゃがんだりしない)

中心や傾きのずれは、あとで紹介するむっちゃんのステレオフォトメーカーで必ず補正すること
このずれが大きいとちゃんとした3Dになりません この作業を省略しないこと

・CGの場合

被写体の中心点にカメラを向けて、等間隔に移動しながらレンダリング

チェンジングの場合は、2変化の場合、途中変化の画像を用意した方がきれいにみえることが多い
用意する枚数は10枚もいらないけど数枚はほしい

・全体に共通して

枚数が多いほど精細に見えるけど、11枚以上はあまり違いがわからないことが多い

視差の角度はレンチキュラーレンズの画角に合わせるとよいはずだけど、適当でもよい
(正確には撮影に使ったカメラの画角も影響するので難しい)

視差がありすぎると、3Dが破綻します
たとえば人だったら、顔は3Dだけど腕は変な向きになるとか

視差がなさすぎると3D効果が薄くて平板に見えます

最初はあまり気にせず適当にやって、一部でも3Dに見えたらOK
あとは条件をかえて作ってみてください

2.レンズの選び方

レンチキュラーレンズの単位は LPI (ライン パー インチ)
これは、1インチ(25.4mm)に何本のレンズがあるかってこと

印刷の場合、 DPI (ドット パー インチ)だけど、
これは、1インチ(25.4mm)に何本のドット(点)が入るかってこと

レンチキュラー画像はデータ量が多くなりやすいので、必要最小限で効率よく作る必要があります

一般的に、

大きい画像を作りたいなら15〜60LPI (A4以上)

小さい画像なら60〜200LPI

厚さの違いは、一般的に厚いレンズが3D効果が高いと言われていますが、厳密にはよくわかりません
実際に作ってみて、見え方の好みなのでしょうか

初心者だったら、60LPI0.43mm厚がおすすめ
カッターナイフで簡単に切れるので、カードサイズに切断して練習しましょう
見え方も十分きれいに見えます

200LPIになると、レンズの存在がわからないくらい細かくなります
この状態で作ると、小さな文字まできれいに読めます
すごくきれいですが、作るのは至難の業 手作業では限りなく無理です

3.接着層のあるなし

・60LPI以上の薄いレンズの場合

レンチキュラーレンズと画像が離れると、レンズの焦点に画像が複数枚入ってしまうため、ぼやけてしまいます
普通の写真スタンドなどのように軽く押し付ける程度だとぼやけてきちんと見えません
そのためレンズに直接印刷するか両面接着フィルムなどの接着層でくっつけます

レンチキュラーレンズに直接印刷するためには通常オフセット印刷を使います
普通のインクジェット印刷だとインクがレンズにくっつかないので無理です
レンチキュラーレンズに直接印刷するには
位置決め、レンズの送りなど高度な精度が必要で印刷会社か、それ以上の技術がないと対応が難しいです

とりあえず作るなら、インクジェットで光沢紙に印刷して、レンチキュラーレンズに貼り合わせます
普通紙だとインクが滲んでうまく画像が切り替わりません

レンズと接着層を別々に買って自分で貼ることもできるけど、気泡が入るとだめなので接着層付が便利です

接着層は十分薄いのですが、それでもレンチキュラーレンズの焦点位置に影響します
なので、0.43mmより薄いレンズは接着フィルムを使うのは避けた方が無難です

60LPI0.43mmでもA4サイズはそれほど無理なく作ることができますが最初はカードサイズで練習をしてください

・15,20,30,40LPI、60LPI1.2mmなどの厚いレンズの場合

レンズが厚い=焦点距離が長いので、レンチキュラーレンズと画像が多少離れてもずれにくいです

インクジェットで光沢紙に印刷し、レンチキュラーレンズと四隅を両面テープでちょこっと固定するくらいでも大丈夫
普通の写真スタンドでも、たぶん大丈夫

画像を交換してレンチキュラーレンズを何度も活用できます

レンズ幅が大きいので画像が粗く見えます
カードサイズやハガキサイズだと粗さが目立ちます
A4以上だと離れてみるので粗さが目立ちにくくなります
A3なども作ることができます

4.使うソフト

画像処理で何をやっているか説明しようと思ったけど、とりあえずって感じじゃなくなったので略します

10枚視差のある画像が用意できたら、
むっちゃんのステレオフォトメーカー
を使いましょう

10枚の画像の中心や傾きのずれは
ステレオフォトメーカー(SPM)による複数画像の自動整列
で必ず補正してください
これを怠るとちゃんとした3Dになりません

画像が完成したら
レンチキュラー画像の作成と印刷方法
の通りに作業するとレンチキュラーレンズ用の画像データができます

10枚も用意できない 1枚の画像から作りたい場合は
メディアクラフト社 Sunday Photo Studio
が便利です

5.できた画像を印刷してレンチキュラーレンズと貼り合わせ

こうやってできた画像をインクジェット印刷で光沢紙に印刷します
必ず光沢紙にしてください 普通紙だと画像が滲んでうまく見えません

完成したレンチキュラーレンズの画像は60LPIのレンズ1つ1つに違う画像が10枚入ることになります

正確にレンチキュラーレンズと画像を合わせると、
レンチキュラーレンズを通してみた画像は10枚が一度に見えるのではなく
レンズごとに1枚の画像しか見えません

しかも、画像の左側と右側ではレンズ越しに見える画像は別の画像になります
つまり、視差のある画像がレンズ越しに見えます
そのために3Dに見えます(チェンジングなら画像が変化する)

ということは、レンチキュラーレンズと印刷した紙を貼り合わせる時に、
レンチキュラーレンズと紙の画像の位置を正確に合わせる必要があるということです

具体的なやり方は次になります

レンズの向きと印刷した紙の方向を合わせて貼り合わせます
(印刷した画像は細かい筋になっていて、その筋の向きとレンズの向きを同じにする 大きさも同じにする)
今回は横長カードサイズで、レンズと画像の筋の向きが縦になっている状態で説明します

レンズを横長に置いて(レンズの向きは縦)、レンズの右端の接着層の剥離フィルムの1cmくらい切り取る

印刷した紙の右端が数cm机の右端に出るように置いて、
机からはみ出た部分を下側に軽く曲げる

この状態の紙の上に、レンチキュラーレンズを乗せる(レンズが上側で接着面が下側)
右端は剥離フィルムがないのでくっつく状態ですが、
くっつく部分の紙を下に曲げて離しているのでくっつきません

剥離フィルムがついた部分のレンチキュラーレンズを印刷した紙に押し付けて
印刷の縦筋と縦のレンズがぴったり重なるようにレンズを動かして調整します
この時、レンズを紙に強めに押して見ることが重要です
軽くレンズを乗せている状態だと、レンズの焦点位置が紙とずれてしまうためぼやけてしまいます
軽く押して位置をずらし、指数本で全体に強く押して見え方を確認する この繰り返しになります

角度が少しずれてもダメ 1つのレンズの幅内に10枚の画像がぴたりと入るように調整します
難しく思えるけど、適当に動かしていれば、おっきれいに見える!という位置が見つかります

そうして、見え具合を目視で確認しながら位置が決まったら、その状態で剥離フィルムをはがした部分を紙とくっつけます
左手でレンズと紙を強く押し付けた状態で固定し、右手で下に曲がった紙の部分を上にあげて接着層にくっつけます

端がくっついたら、一安心
残りの剥離フィルムをはがして全体を接着します
全体を密着する時、気泡が入らないように端から空気を押し出すように接着していきます

これで完成です

経験的には、60LPIはもちろん、75LPIでもそれほど難しくありませんが、
経験を積むために最初はカードサイズで練習することをおすすめします
慣れてくるとA4サイズでもそれほど難しくないです

剥離フィルムがついた状態で最善に見える位置決めにしますが、
剥離フィルムをはがすと、たいていはもっとよく見えるようになります
レンズの焦点位置と画像位置がより合うからです

6.なんだかうまく見えない時

・剥離フィルムがついた状態で、どうやっても期待する効果が見られない場合、
ソフトの設定を間違えた可能性が高いです
または、どこか勘違いしていて見当違いのことをしているのかもしれません

最初はとにかく
レンチキュラー画像の作成と印刷方法
とまったく同じ設定でやってみてください

・2色の変化など、画像の切り替えがはっきりしている場合ですが、
剥離フィルムごしで、指で強く密着させるとちゃんと見えるけど、
全体だとモアレのようになることがあります。
これは密着が足りないために起きる現象です。
指で強く密着させてちゃんとみえる状態が位置決めとして正しいので、
その状態で剥離フィルムをはがして全体を接着してください。
それでちゃんと見えなければ、設定がおかしいか、原理的な理由でうまく見えません。

見る角度で色合いが全然違う状態に変化する(例えば赤と白に変化する)というのは、
小さい画像(数cm)だと簡単ですが、大きくなると難しくなります。
観察者の位置とかも関係してきて、このあたりが原理的な理由になります

・一度接着してしまえばやり直しはできません。
接着フィルムによっては貼り直しができるものもありますが(当方では扱っていません)、
はがす時に紙がゆがむので結局うまくいかない可能性があります。

・一部はちゃんと3Dに見えるけど離れるとうまく見えないときは
プリンターの紙送りの精度がよくないために起きることがあります

印刷方向を90度変えてみてください
元画像を90度回転させてやってみるとか、プリンターのプロパティで変更できます

・だいたいきれいな3Dに見えるけど、なんだかずれている場合、
プリンターとレンズのピッチがあっていません
どちらか、または両方ずれているのかもしれません

印刷時に97%程度に縮小するときれいになることもありました。
プリンターによっても微妙に違うらしいので、プリンターの詳細設定で、
拡大・縮小率を少しずつ変えて数種類作ってみてください
ぴったりあえば、かなり鮮明にできると思います