普通のカメラの原理

ピンホールカメラの巻

1.ピンホールカメラのつくり

「ピンホールカメラ」って知ってるかい?

左図のように、はこに小さな穴があいているカメラだよ。

ふつうのカメラと違うのは、どこかな?

そう、ふつうのカメラはレンズがついているけど、これはないよね。

レンズというのは、光が少ないとうまく写らないから光を集めるために使っているんだ。他にはズームで拡大する

ためにもレンズは使ってるよ。でも、カメラに絶対必要なものというわけじゃないんだ。むしろ、レンズがあると話

がめんどうになってしまう。

だから、レンズがない「ピンホールカメラ」で話をすすめるよ。

レンズがある場合についてはチャンスがあったら別に説明するね。

これはピンホールカメラの上のふたをはずして見たところだよ。

小さな穴のことをピンホールって言うんだ。

穴の反対側のかべに写真用のフイルムをはってある。

これから先は、ピンホールカメラのことを、ただ単にカメラって書くよ。

カメラの箱の部分を透明にすると、こんな感じになってるよ。

すごくかんたんだよね。

こんなんで、写真ができるのかよ?って思うだろうけど、これがちゃんとうつるんだなあ。

ところで、

感光材料というのは「かんこうざいりょう」と読んで、光を記録できるもののことだよ。写真用フィルムも感光材料の

なかまなんだ。

えっ、光を記録するのって、写真用フィルム以外でもできるのかって?

いっぱいあるじゃん。デジカメやビデオカメラに使うCCDというのもそうだし。

ピンホールカメラの場合は、たいてい写真用フィルムを使うけど、光を記録できるものであれば、なんでもいいんだ。

ピンホールカメラを横からみると、左図になるよ。わかるかな?

箱の1つのかべに小さな穴があって、

この小さな穴を光が通って、感光材料(写真用フィルム)にぶつかるって、光が記録されるってわけだ。

2.光の進む向きってことをあてはめてみよう

左上に黄色の光を出すライトがあって、右側にピンホールカメラを置きます。

光はライトから四方八方へ飛んでいくよ。

たくさん飛び出した光を矢印で描くと、カメラの小さな穴(ピンホール)を通る矢印はたった1つ。

他の光(矢印)はカメラと違う方向に進むか、カメラの壁にぶつかってフィルムに届きません。

フィルム部分をよーく見てね。

光があたったのは、穴を通ってきた光がぶつかったところだけだよ。

左のフィルムだと下側の部分だけに光があたって、他の部分は光があたってないよ。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

フィルムの下にだけ黄色の光があたったのだから、そこだけが黄色くなるよ。

わかるよね。

今度は緑色のライトをフィルムと同じ高さに置く。

カメラの穴を通って進むのは、やはり1つの矢印だけ。

フィルム部分をよく見ると、フィルムの上と下には光があたってないよ。

緑色の光があたったのは、フィルムの真ん中あたりだけ。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

フィルムの真ん中だけに緑色の光があたったんだから、そこだけ緑色になるよ。

わかるよね。

しつこいようだけど、今度は青のライトをカメラの下に置くよ。

青色の光があたったのは、フィルムの上だけ。

下側には光があたってないよ。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

フィルムの上にだけ青色の光があたったのだから、そこだけが青色になるよ。

さすがに、これくらいしつこいとわかるよね。

今度は、この3つのライトを同時に撮影してみるよ。

ちょっと、ごちゃごちゃしているけど、カメラの穴を通るのは、それぞれたった1つの矢印だけ。

フィルムの違う部分に違う色の光があたってるよね。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

ちゃんと色別に分かれて撮影できたよ。

ピンホールカメラの穴をなくしたら、どうなるか?

こんな感じになって、フィルムの上の部分に、黄色だけでなく、緑色も青色の光線もあたるね。

つまり、カメラをなくして、フィルムだけを置いて撮影したのと同じだよ。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

何だか見たことがあるような、、、。

そう、前回説明したカメラなしで撮影したものになる。

3.ピンホールカメラで、チューリップを撮影してみよう

チューリップからは、光線が四方八方に飛んでいます。

そこにピンホールカメラと置きます

カメラの小さな穴から、光線が通り抜けます。

上のライトと同じだよ。

赤の光線はフィルムの下の方に向かうだけで、フィルムの上には当たらないよ。

フィルムの上には、チューリップの下から出た緑の光線があたる。

わかるよね。

このフィルムを取り出して、現像すると、このようになる。

赤の光線は下に、緑の光線は上になる。

つまり、上下左右が逆に写るんだ。

ピンホールカメラの原理がわかったよね。最後のところで、もしピンホールがない(壁もない)カメラでチューリップを撮影したらどうなるか。その答えはわかるよね。前に説明したことだよ。わからない人は前に戻ってね。

さあ、こうしてできたフィルムと、ホログラムはどこが違うのか。いよいよホログラムそのものの説明を次から始めようと思ってる。今度こそは、あまり期間をおかずに更新するつもり。あきれずに見てちょうだい。

初めて書いた日 2003年5月29日

著作権は有限会社アートナウにありますので、勝手に転載しないで下さい。


前に戻る  次へ進む  講座の目次に戻る